携帯版 施術論

 

11、「広告の制限」という魔物

 私たちあん摩マッサージ指圧師は、「あん摩マッサージ指圧に関する法律」の支配を受けます。この法律は、地位の保証や施術者の義務を定める法律であるなら「仏」のような存在なのですが、私を含めた新規開業者にとっては、時として「魔物」なのです。
 どういう事かというと、以下の通りです。「あん摩マッサージ指圧に関する法律」(今後は「あはき法」と略します)の第7条には、広告の制限に関する事が記載されています。ここには、「・・・を広告してはならない」というものではなく、「・・・以外は広告してはならない」となっています。この「・・・」がどういうものかというと、「施術所の名称」「免許の種類」「営業時間」「施術所の住所」「施術者の氏名」「施術所の電話番号」「保険が使えるかどうか」「駐車場はあるか」「予約はできるか」「出張はするのか」などで、他に「やいと えつ(どちらもお灸の別名です)」「小児鍼」があります。しかし、「施術料金」に関する事はまったくありません。
この「第7条」によって、「癌が治ります!」「強揉みもOK!」「可愛い施術者が勢ぞろい!」「伝統の××式○○流指圧であなたの腰痛もパッと治まります!!」のような誇大広告・不適切な広告が排除できるのですから、一方では「仏」なのです。しかし、「施術料金」は虚偽記載があったり「本来−−−−円のところをスペシャルプライスで何と×××円!!!」というような紛らわしい表現がない限り、正当な項目です。お客様が施術を受けられる時、もっとも気になるのは「施術者の技量」と「施術料金」なはずです。技量を文章で、しかも自分で自分の技量を表現することには無理があるでしょうが(嘘八百並べ立てたりなどありますから)、施術料金はストレートに「いくらです」と表現すれば問題ないはずなのに、これが広告の制限で排除されるというのはおかしな話です。
 日本国憲法の「基本的人権」では、「経済活動の自由」が保障されています。この「経済活動の自由」が制限されるのは、「公共の福祉」に反した場合、すなわち国民がその経済活動によって不利益をこうむる場合です。普通に「全身施術60分4000円」などと広告に記載して、果たして「公共の福祉」に反するでしょうか?、むしろ「料金をきちんと明確にしている」とお客様からは好感を持たれるはずです。時々「料金を記載すると価格競争が激化して、潰れる施術所が増えるから公共の福祉に反する」なんて意見も聞きますが、こんな事を言っていたのでは経済活動はできません。それこそかつての「東ヨー○ッパ」や「ソ○○ト連邦」のように「競走はけしからん!、みんな仲良く横並び!」なら話は別ですが、これらとて所詮インチキだったじゃないですか。
 この「広告の制限」に関する要望は、平成15年ごろから厚労省が意見を募集しているのですが、8年経った現在も何の伸展もありません。おかげで、マッサージの免許を持っていても「マッサージ」で開業せず、「整体」や「リラクゼーション」などで開業している方も増えています(「マッサージ」や「指圧」として開業しなければ、あはき法の広告の制限はまったく受けないからです)。
 このように、最低限度の項目に関する広告を制限していること自体、「経済活動の自由」の侵害だと私は思っています。

  

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